※2020年11月ごろに行った実験をまとめたものです。
注意
この改造(増築?)によって大事なPCに損傷を与える可能性が無きにしも非ずです。それにノートPCの背面カバーを開けた時点でメーカー保証は消えて無くなりますので自己責任でお願いします。
今回の改造ができるPCの条件
- B-keyもしくはB+M-keyのm.2空きスロットがある(M-keyは不可?)
- Windows Vista以降(LSPMが必要)
m.2スロットについて
前述したようにm.2には"key"と呼ばれる切り欠け形状により幾つかの種類が存在します。このうち、B-keyおよびB+M-key(SATA用に多い)にはUSBのD+/-が通っているためこれを引き出すことで新たなポートとして利用できるわけです。また、USB3.0用の差動2対もあるためSS(SuperSpeed)に対応させることもできます。ただし、SS用の信号線がPCIe Lane 1と排他になっていることがあるため、NVMe SSD対応を謳ったポートでUSB3.0は利用できないと思われます(未確認)。図1に実際のm.2(B+M-key)のピンマップを示します。
図1において7pinがD+,9pinがD-となっています。図1ではN/CとなっていますがSS用のTX-,TX+,RX-,RX+はそれぞれ29,31,35,37pinです。
実際にUSBを接続してみる
早速背面カバーを外してスロットを探してみましょう。ここ数年に発売された15.6型のノートであれば複数m.2スロットが存在していることも珍しくありません。私のPC(Acer AN515-44-R99Q) にはまだコネクタが実装されていないものも含めて3つのスロットが確認できました。今回は図2左端のスロットを利用することにしました。
ピンマップと照らし合わせながらUSBの信号線をつなぐと…
問題なくあっさりと動作してくれました。スロット付近にUSB用のTVSダイオードと思われる未実装のフットプリントがあったので信号線はそちらにつないでいます。
それと電源もお忘れなく。今回はメインのNVMe SSD(図3左上)の平滑コンから5Vを拝借しました。とりあえず当時作ったUSB/UART変換モジュールを接続しています。
しっかり認識しているようです。
振り返り
無事USBポートを新設できたのですが、考えてみるとやはりメリットが少なすぎる気がします。PCを破壊するリスクを孕むわけで、よっぽど何かノートPC内に組み込みたいものが無い限りはUSBハブを使えばいいと改めて感じました。